3.1.1. groonga実行ファイル

3.1.1.1. 名前

groonga - 列指向データベース機能を持つ全文検索エンジンソフトウェア

3.1.1.2. 書式

groonga [options] [dest] [command [args]]

3.1.1.3. 説明

groongaは列指向のデータベース機能を持つ高速でスケーラブルな全文検索エンジンです。 groongaのデータベースは、groonga実行ファイルかCライブラリインタフェースを通して操作することができます。このマニュアルページでは、groonga実行ファイルの使い方について説明します。

3.1.1.4. オプション

-n
新たなデータベースを作成します。
-a
スタンドアロンモードで実行します(デフォルト)。
-c
クライアントモードで実行します。
-s
サーバモードで実行します。
-d
デーモンモードで実行します。(forkする点がサーバモードと異なる)
-e <encoding>
データベースで使用する文字エンコーディング方式を指定します。新たなデータベースを作成する時のみ有効です。none, euc, utf8, sjis, latin, koi8rのいずれかが指定できます。
-l <log level>
ログレベルを指定します。0〜8までの数値が指定可能で、数が大きいほど多くのログが出力されます。
-i <ip/hostname>
サーバモードかデーモンモードで実行するとき、listenするアドレスを指定します。(デフォルトは`hostname`の返すホスト名)
-p <port number>
クライアント、サーバ、またはデーモンモードで使用するTCPポート番号。 (デフォルトは10041番)
-h, --help
ヘルプメッセージを出力します。
--admin-html-path <path>

httpサーバとしてgroongaを使用する場合に静的ページを格納するディレクトリを指定します。

デフォルトでは、データベースを管理するための汎用的なページに対応するファイルが/usr/share/groonga/admin_html以下にインストールされます。このディレクトリをadmin-html-pathオプションの値に指定して起動した場合、ウェブブラウザでhttp://hostname:port/index.htmlにアクセスすると、ウェブベースのデータベース管理ツールを使用できます。

--protocol <protocol>
http,gqtpのいずれかを指定します。(デフォルトはgqtp)
--log-path <path>
ログを出力するファイルのパスを指定します。(デフォルトは/var/log/groonga/groonga.logです)
--query-log-path <path>
クエリーログを出力するファイルのパスを指定します。(デフォルトでは出力されません)

3.1.1.5. 引数

dest

使用するデータベースのパス名を指定します。

クライアントモードの場合は接続先のホスト名とポート番号を指定します(デフォルト値は’localhost:10041’)。ポート番号を指定しない場合には、10041が指定されたものとします。

command [args]
スタンドアロンおよびクライアントモードの場合は、実行するコマンドとその引数をコマンドライン引数に指定できます。コマンドライン引数にcommandを与えなかった場合は、標準入力から一行ずつEOFに達するまでコマンド文字列を読み取り、順次実行します。

3.1.1.6. コマンド

groonga実行ファイルを通してデータベースを操作する命令をコマンドと呼びます。コマンドは主にC言語で記述され、groongaプロセスにロードすることによって使用できるようになります。 それぞれのコマンドは一意な名前と、0個以上の引数を持ちます。

引数は以下の2種類の方法のいずれかで指定することができます。:

形式1: コマンド名 値1 値2,..

形式2: コマンド名 --引数名1 値1 --引数名2 値2,..

形式1でコマンドを実行する場合は、定義された順番で値を指定しなければならず、途中の引数の値を省略することはできません。形式2でコマンドを実行する場合は、「–引数名」のように引数の名前を明示しなければならない代わりに、任意の順番で引数を指定することが可能で、途中の引数の指定を省略することもできます。

標準入力からコマンド文字列を与える場合は、コマンド名と引数名と値は、空白( )で区切ります。空白を含む値を指定したい場合は、シングルクォート(‘)かダブルクォート(“)で値を囲みます。値として指定する文字列の中では、改行文字は’n’に置き換えて指定します。また、引用符に使用した文字を値の中で指定する場合には、その文字の前にバックスラッシュ(‘’) を指定します。バックスラッシュ文字自身を値として指定する場合には、その前にバックスラッシュを指定します。

3.1.1.7. 組み込みコマンド

以下のコマンドは組み込みコマンドとして予め定義されています。

status
groongaプロセスの状態を表示します。
table_list
DBに定義されているテーブルのリストを表示します。
column_list
テーブルに定義されているカラムのリストを表示します。
table_create
DBにテーブルを追加します。
column_create
テーブルにカラムを追加します。
view_add
VIEW型のテーブルに要素となるテーブルを定義します。
load
テーブルにレコードを挿入します。
select
テーブルに含まれるレコードを検索して表示します。
define_selector
検索条件をカスタマイズした新たな検索コマンドを定義します。
quit
データベースとのセッションを終了します。
shutdown
サーバ(デーモン)プロセスを停止します。
log_level
ログ出力レベルを設定します。
log_put
ログ出力を行います。

3.1.1.8. 例

新しいデータベースを作成します。:

% groonga -n /tmp/hoge.db quit
%

作成済みのデータベースにテーブルを定義します。:

% groonga /tmp/hoge.db table_create Table 0 ShortText
[[0]]
%

サーバを起動します。:

% groonga -d /tmp/hoge.db
%

httpサーバとして起動します。:

% groonga -d -p 80 --protocol http --admin-html-path /usr/share/groonga/admin_html /tmp/hoge.db
%

サーバに接続し、テーブル一覧を表示します。:

% groonga -c localhost table_list
[[0],[["id","name","path","flags","domain"],[256,"Table","/tmp/hoge.db.0000100",49152,14]]]
%